ある国に、歌が大好きな王子リオがいました。
でも、お城の人たちは「王子が歌なんて…」と笑いました。「王様になるには剣の練習をしないと!」
ちょっぴりしょんぼりしたリオは、お城の庭でひとり歌っていました。すると、なんと小鳥が集まってきて、一緒にピヨピヨ歌い始めたのです!
次の日、リオが森で歌うと、うさぎやリスも楽しそうに耳をぴくぴくさせました。
さらにある日、大きなライオンが「おまえの歌を聞かせてくれ」とやってきました!
「こ、こわい…」と思ったリオ。でも、勇気を出して歌うと、ライオンは目を細めて「やさしい歌だな」とうなずきました。
やがて、リオの歌は国中に広がり、人も動物もみんな仲良く暮らすようになりました。
そして、大人になったリオは、剣ではなく「心をつなぐ歌」を大切にする、やさしい王様になりましたとさ。
おしまい