むかしむかし、美しいけれど恥ずかしがりやのお姫様、ソフィアがいました。人前で話すのが苦手で、舞踏会でも小さく座っているばかり。
ある日、お城の庭で、ひとつだけ咲いている小さな花を見つけました。
「どうしてこんなに小さいのに、こんなに堂々と咲いているの?」
すると、風がそっと花をゆらしながらささやきました。
「わたしは小さいけれど、この場所で精いっぱい咲いているの。それがわたしの役目だから」
その言葉に勇気をもらったソフィアは、「わたしも、できることをがんばってみよう!」と決心しました。
それからソフィアは、少しずつ自分の気持ちを話し、人々に優しく声をかけるようになりました。
やがて、ソフィアは国で一番親しまれる、心の美しいお姫様になったのです。
おしまい