むかしむかし、リリィという魔法を使えるお姫様がいました。彼女は指を軽く振るだけで花を咲かせたり、水をきれいにしたりできました。
でも、ある日突然、魔法が使えなくなってしまいました!
「どうして? これじゃ、みんなを助けられないわ…」
困ったリリィは、お城を出て旅に出ました。
道の途中、転んだ子どもを見つけ、やさしく手を貸しました。
森では、迷子の子ネコを見つけ、お母さんネコのところへ連れていきました。
川では、おばあさんの荷物を運ぶのを手伝いました。
すると、そのとき、手のひらがふわっと光りました!
リリィは気づきました。「魔法がなくても、わたしは人を助けられるんだ!」
お城に帰ったとき、リリィの魔法は元に戻っていました。でも、それよりも、彼女の心はもっともっと強くなっていたのです。
おしまい